流通・ITソリューション事業部のブログ
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今さら聞けない!流通BMS導入のメリットと成功の秘訣

流通業界のEDI(※1)において、近年デファクトスタンダードとなっている『流通ビジネスメッセージ標準(Business Message Standards)』、いわゆる『流通BMS(※2)』というキーワードを皆様はご存知かとおもいます。

本日は、流通BMSについて実際にどういうメリットがあるのか?導入するためにどのように進めていけば成功するのか?をご紹介します。

※1 EDI(Electronic Data Interchange)

従来は紙ベースだった注文書や請求書などの企業間で行われる商取引の中で交換される文書を電子データに置き換え、標準的なルールを用いてネットワーク経由でやりとりすること。

※2 流通BMS

「流通ビジネスメッセージ標準(Business Message Standards)」の略で、流通事業者(メーカー、卸、小売)が統一的に利用できるEDIの標準仕様。経済産業省の「流通システム標準化事業」により、2007年4月に制定された。

 

流通BMSの普及状況

流通業界ではすっかり定着してきたと思われる流通BMSですが、実際どれくらい普及しているのでしょうか?

流通システム標準普及推進協議会が2015年度に行った「流通BMS導入実態調査」によりますと、小売業の約4割が導入済み、具体的な導入予定がある企業を含めると過半数を超え、導入を希望する企業までを含めると9割近くの企業に達します。

出典:流通BMS評議会のホームページより引用(http://www.dsri.jp/ryutsu-bms/info/info09.html)

業態別で申しますと元々2007年の導入がスーパーマーケットを中心に進められた経緯もあり、最も導入が進んでいるのはスーパーマーケットです。ドラッグストアや百貨店がそれに続く状態にあります。

 

流通BMSの導入効果

このように流通業界に広く普及しつつある流通BMSですが、果たしてどのような効果をもたらすのでしょうか?大きく分けると以下3点にまとめられます。

  1. 様々なメッセージフォーマットの利用による経営の見える化と業務効率化
  2. インターネット回線利用による通信速度向上
  3. 業界標準ルールの利用による複数企業とのEDI構築円滑化

 

1. 様々なメッセージフォーマットの利用による経営の見える化と業務効率化

流通BMSには様々なデータ種に対応できるメッセージフォーマットが存在します。それらを活用してEDI化を促進することにより様々な効果が生まれます。例えば、発注や仕入のデータが即座に入手できることで粗利がすぐに確定できる、あるいは、伝票レスや帳票レスにつながることで業務が効率的に遂行できる、などです。

2. インターネット回線利用による通信速度向上

流通BMSはインターネット回線の利用が前提となります。従来の公衆回線やINS回線と比較して通信速度が向上するため、発注締め時間に余裕ができ、当日納品が可能になるというようなビジネス的な効果があります。さらに、通信コストの削減や通信機器の購入・維持コストも削減が可能となるため、流通BMS導入企業の中には、実はここに最大のメリットを見出す企業も非常に多いです。

3. 業界標準ルールの利用による複数企業とのEDI構築円滑化

流通BMSはビジネスメッセージスタンダードとも言われているとおり業界で標準化されています。標準ルールを採用することにより、取引先が複数であっても専用ソフトウェアが1つあれば比較的容易にデータ交換を実施することができるのです。一方、同じインターネット回線を使うWeb-EDIという通信手順も存在しますが、こちらは取引先が複数あった場合、各々が独自サイトとなり操作方法が違うため、導入や運用に手間がかかります。

 

流通BMS導入を成功させるための秘訣

さて、導入効果はわかったものの、実際に流通BMSを導入するにはどうしたらいいの?というご質問は非常に多いです。また導入することは決まったものの、なかなかうまく進められないというお話もよくお聞きします。ここでは、実際に導入する際のポイントをいくつかご説明します。

 

1. EDIモデルの確定

流通BMS導入の第一段階として、流通BMS のEDI モデルをしっかりと理解する必要があります。EDIモデルとは、取引先と自社の双方がどのような機器構成を用意してEDIを実施するかということです。流通BMSでは、取引データ量が大きい取引先と小さい取引先でモデルが分かれます。前者がサーバtoサーバ型(ebXML,AS2などpush型)であり、後者はクライアントtoサーバ型(JXなどpull型)となります。データ量の大小は10MBが目安(JX手順での推奨上限)です。

2. 採用システムの確定

上記EDIモデルが決まったら、次に採用するシステムを決めます。世の中に流通BMSに対応するEDIパッケージソフトウェアは多数存在しますので、それらを使って自社で構築する(オンプレミス型)のがよいか、はたまたITベンダ等が提供するEDIサービスを利用するのがよいかを検討します。

(参考:「システム管理者必見!EDIはクラウドを利用すべき3つの理由」はこちら

採用システムの確定にあたっては、自社の状況・実現したいことを理解した上で、候補となる製品はいったい何ができ、どのようなサービスを実施しているのか、BMSの中でもどのプロトコルに対応しているのか、自社で実現したいことが実現できるのか、フォロー・サポートを受けられるのか、運用面・費用面で比べてどうなのか等を考えて比較検討する必要があります。

3. 自社の運用にあったマッピング

流通BMS導入成否を分ける最大のポイントは「マッピング」です。導入前の設計フェーズにおいて、自社の業務や運用と流通BMSの標準仕様を考慮したマッピング資料の作成が必要となるのです。このマッピングを作成しないと、導入企業の運用にあった環境が構築できず、全ての取引先に対応できないという問題が生じます。マッピングの作成にあたっては、流通BMSの仕様理解、サンプルとなるマッピング資料の入手、自社および取引先を含めた運用面の確認が必要です。

4. 取引先への協力依頼

言うまでもないことですが、流通BMS導入にあたっては取引先が協力してくれないと話が進みません。ご協力の依頼から始まり、取引先向けの説明会開催、導入にかかわるアンケートの収集、切り替えテストの日程調整、問題発生時のサポートなどを通じてできる限りフォローしていく必要があります。

 

さて、ここまで流通BMSについて普及状況、導入効果、成功の秘訣をご説明してまいりましたが、ご理解いただけましたでしょうか?これを機会に導入を検討したいという方がいらっしゃいましたら是非お問合せ下さい。流通BMS導入経験豊富な当社メンバーがサポートさせていただきます。

 

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[商標]
「STORES」は、セゾン情報システムズの登録商標です。
「流通ビジネスメッセージ標準」「流通BMS」は一般財団法人流通システム開発センターの登録商標です。

今野 圭

今野 圭

本メディア「STORESサイト」を企画した発起人、小売業・サービス業のITご担当者様に価値のある情報をお届けしようと、営業活動の傍ら、日夜記事執筆について向き合う。

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